復活の狼煙

アウトドア

 コロナ禍が収束し、数年ぶりに各地で花火大会が開催されている。都内では地元の花火大会が先陣を切って行われた。四年間のブランクを経て一万五千発の花火が夜空を彩り、過去最高の来場者で大いに盛り上がった。

 地元の花火大会は荒川の河川敷で行われるので、高層ビルなどの障害物などもなく、広々とした河川敷や土手に寝転がって、ノンビリと観ることができる。早めに行けば打ち上げ地点のすぐ近くまでいけるので、寝転がって空を見上げると視野一杯に花火が広がり、開花と同時に爆音が腹を打ち、燃えカスが降ってくるという臨場を存分に味わえる花火大会だ。

 都内では足立の花火大会をトップバッターに、毎週どこかしらで花火大会が催されるが、例えば隅田川の花火大会などは会場内で立ち止まることができず、人混みに揉みくちゃにされながらゾロゾロと足を踏まれながら移動し続けなければならないので、夏の風物詩を落ち着いて観るには程遠い。

足立の花火大会は都内ではオススメの花火なのだ。

 その足立の花火大会、自宅マンションの屋上からも見物できるのだが、出張の合間にたまたま地元に戻ったので、土手まで歩いて観に行ってきた。
 晩ごはんを早めに済まそうと町中華屋さんに向かうとまさかの閉店。プランBで蕎麦屋さんに変更しても臨時休業。どの店もランチタイム後に店を閉め、夜の営業は臨時休業にして四年ぶりの開催を楽しむために打ち上げ会場に向かったようだ。今回の意気込みが感じられる。

 最寄り駅からはゾロゾロと大勢の花火見物客が溢れ出し、長い行列が土手まで続いている。今までで一番の人出な予感。
 ダラダラと歩くうち、土手に着く前に夜空が明るくなり爆音が轟いた。始まったようだ。足を早めようにも行列の密度が高いため、なかなか土手にたどり着けない。
 ようやく土手にたどり着き対岸の打ち上げ花火を観られるようになっても、後ろからどんどん見物客がやってきて、前へ前へと押されてしまう。少し脇にそれて立ち止まろうとすると、警備員が拡声器で立ち止まるなと怒鳴り声を撒き散らす。その怒声は花火の音より大きかった。

 河川敷に降りる緩い下り坂に差し掛かると急に流れが止まった。車椅子が通るので道を空けろと、拡声器の怒声ががなり立てている。満員電車状態の下り坂を前方と後方から車椅子の人物と同伴者が移動してくる。

 これだけごった返した状況では流石に無理がある。場所を空けようと側に寄った見物客が低めに張られた規制ロープに引っかかり躓いてしまい、大混乱になってしまった。その脇を電動車椅子に乗った人と同伴者が申し訳無さそうに移動していく。

 お互いに身の危険を感じるような混雑ぶりだったので、たまたま空いていた隙間を見つけなんとか離脱。河川敷に降りることは諦め、土手の最上段に移動した。

 ようやく落ち着いた先は人が全然いなかった。何故かこのエリアだけポッカリと空間ができている。立ち入り禁止区域でもなさそうで、警備員の怒声も聞こえてこない。ようやく落ち着いて花火見物ができるようになったと思ったら、この時点で花火大会の前半が終わっていた。

 これだけスペースに余裕があるのなら、予めこの場所を車椅子やハンデを持った人達の観覧スペースとして利用すれば大混乱することもなく、お互いに安心して気持ちよく見物できるだろうに。
 よくよく会場を眺めてみると、見物エリアに関しても、河川敷を花火の明かりが照らし出すと、ところどころ十分なスペースがいくつも空いている。観客の誘導が上手くできてないようだ。運営側の今後の課題だろう。

 とはいえ、コロナ禍前に訪れた隅田川の花火大会に比べると、まだまだマシな方だ。

「立ち止まらないでくださいーーー!」

と言う垂れ流しの警備の怒声が、最寄り駅から会場のいたるところに等間隔に設置された拡声器から途切れることなく発せられ、開始から終了まで、花火の音が聞こえないほど怒鳴りまくっていた。四六時中怒鳴られていると、もはや注意喚起の意味をなさず、かえって逆効果な気もするが、この警備体制は当分変わりそうもない。

結局、エリア内は一度も立ち止まることを許されず、押し合い圧し合いしながらいたるところで足を踏まれ、揉みくちゃにされ、酔っぱらいの酒臭さに辟易しながら疲れて帰ってきた記憶しか残っていない。風情もヘッタクレもなく、ただただストレスだけが残った花火大会だった。二度と行くことはないだろう。

 花火大会終了後のゴミ放置も大きな問題だ。

全国各地の様々なイベントが終わると、毎回必ずゴミ問題が浮上している。スポーツの世界大会などでは、日本から来た観客が終了後にゴミを拾う姿が各国から称賛されているが、残念ながら一部のパフォーマンスで終わってしまっている。国内の様々なイベント、キャンプ場、登山道を見る限り、民度はまだまだ発展途上レベルだ。

自分が出したゴミは自分で処理する!

 外面を気にするのも大切だが、身の回りで直ぐに実践できることを確実にこなしていこう。

 このようなことを休憩時間にボンヤリと考えていたら、後半が始まった。

 対岸から都心方面の夜景をバックに花火が打ち上がる。夜空に大輪の花を咲かせ、川面には花火の明かりがキラキラと輝く。大きな花が咲く度に炸裂音が響きあちこちから拍手が湧く。

 それぞれの想いを載せ、数年間の鬱憤を振り払うかのように大輪の華が夜空を彩る。

 一方、同じ火薬でも、ヨーロッパでは未だに人が爆薬の犠牲になっている。

 四年前は単純に楽しめた大会だったが、今年の花火は複雑な想いが交錯した花火大会だった。来年は心から楽しめるだろうか?

それにしても花火の撮影は難しい。カメラの性能が上がったとはいえ、素人レベルではこの程度だ。それならば、と、今回は動画撮影に挑戦してみることにした。

 さいわい警備の怒声は聞こえてこない距離だったので、後半は殆どiPhoneの動画を回していた。今年のはじめにiPhone13miniに機種変したが、それまで使っていた7に比べると大幅に画質がUPしている。三脚を使用しなくても手ぶれ補正が効いているようで、手ブレも抑えられている。
 撮影後の動画編集も、Windowsについてくるソフトを使えば文字も簡単に挿れられるようになった。便利になったものだ。

で、作成した動画がコチラ。

恥ずかしながらYou Tubeに公式チャンネルを開設してしまった。

センテナリアンへの道

ブログと並行して動画も少しずつUPしていこう。

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