ここ数年、年明けの初ランニングは海まで往復30キロのゆるRUNで体調のチェックをしている。
今年は、年が明けても去年の夏バテとコロナの影響が完全に取れてなかったので、無理をせずウォーキングに切り替えた。とはいえ、平坦な河川敷を海まで長時間歩くだけでは飽きてくるので、東京湾にあるキャンプ場まで歩き、年明け初キャンプを楽しんできた。
都内の絶景キャンプ場
江東区の海辺に若洲海浜公園という施設があり、その中に格安のキャンプ場があるのを発見したのは十年ほど前だった。きっかけは東京湾に最新の橋が建設され美しいデザインが評判となったので、一目その姿を眺めてみようと場所をチェックするため地図を開いた時だった。
橋の袂にキャンプ場が併設された公園があり、都内の夜景と橋の眺めを楽しめそうな配置になっている。橋の完成時はまだテントを持っていなかったので行く機会がなかったが、それから数年後、テントを購入した頃に行ってみた。
当時も歩いて行ったのだが、その甲斐あって、写真で眺める以上に美しい橋と夕日、夜景を楽しめた。施設もよく整備されているためテント初心者にはうってつけの場所だ。
ただ、当時はキャンプブーム絶好調の頃で、夜になってもパリピが奇声をあげ夜通し騒いでいた。その記憶が残っていたので、それからは訪れることはなかったが、今回、平日に休みが取れたので7年ぶりに再訪した。
重たいザックを担いで東京湾へ
海辺のキャンプ場なので登山装備は必要ないが、冬仕様のキャンプ道具一式を詰めるとそれなりの重さになる。今回は更にテントのメンテナンス用具をザックに詰めて、荒川河川敷をひたすら南下し東京湾までウォーキング。
どんよりとした雲が空を覆い、冷たい北風が背中を押してくる。歩いているときは気付かないが、写真を撮るために立ち止まると一気に冷えてくるので、ノンストップで歩き続ける。
二時間ほど歩くと東京湾が見えて来る。東京都と千葉県を結ぶ荒川橋梁の向こうに目的地の東京湾ゲートブリッジが少しだけ姿を表す。この先、荒川橋梁を渡り、もうひと踏ん張り。
遮るものが何もない荒川橋梁を渡るときは冷たい強風で髪の毛が舞い上がってしまい疲れも重なって心が折れそうになったが、巨大な風車が見えてくるとゴールすぐそこ。
若洲公園キャンプ場管理棟に到着。
20キロ丁度、3時間22分のウォーキング、というより縦走?完歩。
河川敷のフラットな舗装路をローカットの硬い登山靴で歩いたので、それなりに疲れた。登山のように色々な筋肉を使うのではなく、単調な歩行だけの筋肉なので、ふくらはぎ周りがパンパンになっているが、上半身は多少こわばっているくらいだった。平均ペースが10分を超えてしまったのは悔しいが、怪我なく歩ききれたので良しとしよう。
13時を過ぎたあたりにチェックインしテントを設営。平日ということもあり場内は比較的空いている。因みに、ここのキャンプ場は11時からチェックインできるようなので、早めに着いてさっさと設営し、ゆっくりと昼ごはんを食べることもできる。
設営後はお約束の珈琲タイム。以前来たときは設営場所から橋を見ることができた。テント内からシートをめくると橋を望むことができる絶好の場所だったが、今回指定された場所は樹木に邪魔されて見ることができなかった。
護岸に出てみると、お目当てのゲートブリッジが目の前に姿を表す。その姿から恐竜が向かい合っているようなイメージのため、恐竜橋とも呼ばれているそうな。
この日は北風が強くて底冷えする寒い日だったので、じっとしてるだけでも体がこわばってくる。まずは体を暖めよう。早めに火を起こし晩御飯タイム。
マジックアワーの空を飛行機が頻繁に行き交う姿を楽しみながら、初日の晩御飯はお約束のシンプルステーキ。だけで済まそうと思っていたが、予想以上に腹が減っていたので、二日目に焼く予定だった豚肉も投入。出かける前に焼肉のつけダレで漬け込んでいたのでメチャクチャ美味かった。
山での冬キャンプは晩御飯を食べたら寝袋に包まるが、都内の冬はそこまで寒くない。夕食後は夜景を楽しむため護岸へ。
それでも東京湾の冬の夜風は骨身に染みる!
夜景見物は明日に持ち越すことにして、この日は早めに就寝。
キャンプ二日目の過ごし方
二日目の朝、シートをめくると風はやみ、雲ひとつ無い青空が広がっている。今年始めての日の出を拝むため、朝の散歩も兼ねて岸壁の端まで散歩。
朝日に照らされ輝く姿が美しい。よく見ると、富士山がクッキリ!オマケに羽田空港から離陸した飛行機が晴れ渡った青空に華を添える。飛行機の離発着は何度見てもワクワクする。ここは日の出見物の人気スポットでもあるようだ。この日も既に数人が場所を陣取りカメラを構えていた。
因みに、飛行機の離発着見物をもっと間近に楽しみたいのなら、羽田空港の横にもキャンプ場があるようなので、そちらも気になるところ。いつか行ってみよう。
冷たい海風で冷えた体を朝ラーメンで温める。
登山やキャンプでは棒ラーメン一択。最大の理由はかさばらないことだ。その名の通り、麺がストレートで二食分が袋に入っている。スタッフサックの隙間に入れておけるので、持ち運びがしやすいのだ。味は昔ながらの癖のないアッサリ味なので寒い日の朝食に最適だし、昨夜の焼肉のタレをちょい足しするだけで味変も楽しめる。色々な味が出ているが、一番シンプルなコチラが使い勝手がいい。
朝食で体を温めたあとは散策タイム。
キャンプ場の道路を挟んだ向かい側はゴルフコースになっており、そのコース沿いが一周6キロほどのサイクリングロードになっている。管理棟にレンタルサイクリングもあるので、海を眺めながらサイクリングしたりウォーキングを楽しむことができる。
葛西臨海公園やディズニーランドを眺めながらのんびりウォーク。
キャンプ場の隣にはゲートブリッジを歩ける展望塔が建っている。エレベーター完備で(階段もある)、警備員が常駐している豪華な?展望塔だ。せっかくなので登ってみると、
都心部のパノラマが広がっている。惜しむらくは、通行時間が夕方の5時までとなっているため橋の上から夜景を眺めることができない。夏場は19時まで通行可能なようなので見物客で賑わっていることだろう。
対岸の出入り口は通行止めになっており、関係者以外は降りることができないようだ。来た道を引き返すとキャンプ場の全景を見渡すことができた。
テントの防水処理をやってみた。
トータル9キロほどのウォーキングから戻り一休みした後は、今回のキャンプの目的、テントの防水処理に挑戦してみる。キャンプ場でやらなくとも自宅の屋上でやれる作業だが、キャンプ二日目に登山や温泉に入らない場合は時間があるので、昼寝の代わりに取り組んでみることにした。
テントを購入してから8年目、その間、台風直撃にあってシートが裂けたり、真夏の沖縄の日差しに照らされたりと、それなりに酷使してきた。結果、フライシートの撥水性が失われ雨粒が染みてくるようになってきた。それでも十分にテントとしての機能は果たしている。さすがに継ぎ目のシームテープも剥がれてきたが、それは今度の機会に譲るとして、今回はフライシートの撥水性をアップさせる処理を施してみる。
撥水処理に必要なもの
・撥水コート剤:色々な種類が出回っており、傘などに吹き付けるスプレータイプが手っ取り早いが、今回は効果が長持ちしそうな液体タイプにした。
・刷毛:細かな箇所はないのでザックリ塗れるサイズ
・手袋:百均の使い捨て
これだけあれば作業出来るので、ザックの隙間に押し込んで運ぶことができた。
晴天で無風の中、早速塗り始めると、塗ったそばから乾き始めるので塗りやすく、一度目はあっという間に終わってしまった。このテントの面積だと中身は半分以上残っている。どうせなので完全に乾いてから二度塗り。作業を終え、水を垂らしてみると、処理前はベタッと広がっていた水分が細かな水滴となりコロコロとシートを転がっていく。
作業時間は乾燥も含め1時間もかからなかった。素人レベルの処理とすれば十分な出来栄えだろう。撥水性能がかなり蘇ったので、まだまだ使えそうだ。
東京湾の夕陽と夜景
作業を終えた頃には陽が傾いてきた。初日は歩き疲れを焚き火の前でマッタリ過ごしたが、二日目は風も収まり気温も暖かめなので臨海部の景色を楽しもう。
マジックアワーを堪能した後は簡単に夕食を済ませ、夜景タイム。
七年前に来たときは色々な思いが交錯していたが、月日が流れてもしっかりと大地に根を下ろし、美しく佇む橋を眺めていると、懐かしく素敵な記憶が蘇ってくる。
今回のキャンプはソロキャンパーが大半のようで、テント場に戻ると各々が都会の夜を楽しんでいた。旭岳野営場で体験した無音の夜ではないが、橋を行き交う車や頭上を飛び交う飛行機の音が都会の夜空に心地よく響く。
炎三種盛り:手前からアルスト、オイルランタン、知らない人の焚き火
それぞれの色味や燃え方の違いなどを楽しみながら穏やかな夜が更けていく、、、
最終日の朝はチゲ鍋風スープにオートミールをぶち込み軽めの腹ごしらえ。他のキャンパー達のテント小屋の撤収作業を眺めながら、時間ギリギリまで最後の珈琲を楽しみ重い腰を上げた。
来たとき以上にテント場をキレイに整えチェックアウト。
昼から雨予報だったので帰りは家まで歩かずに、バスと地下鉄で1時間で家にたどり着いた。来るときの3時間ウォーキングが何だったのかと思えるような、あっけないくらい近い都内のキャンプ場だった。
若洲公園キャンプ場 感想
場所柄、大自然を満喫することはできないが、都内にあって海辺の開放感溢れ、都会の夕陽や夜景を楽しめる。区営ということで料金も割安で、泊数や時間によって細かく区切られているが、今回は900円!(13時チェックイン、三日目の10時チェックアウト)だった。最近、ネット予約に対応したので空き状況の確認や予約手続きが簡単になった。
場内は程よい広さで区分けされており、隣との圧迫感は無い。清潔なトイレや炊事棟も数カ所ありキャンプ初心者にも優しい。
デメリットと言えば、ゲートブリッジを24時間走る車の通行音や、隣接する工場のラジオ体操の音楽、機械音が気になるが、そこは都内のキャンプ場ということで割り切ろう。
今回は利用しなかったが場内にはシャワー設備やキャンプ用品、食料を販売しているショップがあり、徒歩圏にコンビニもあるので忘れ物や買い出しにも不自由しない。更にはレンタルサイクルやゴルフコース(別会社)、護岸で釣りを楽しむことも出来るようだ。竿を持参しなくてもレンタルショップもある。今回、テントのメンテナンスをしていなければ、晩御飯のおかず用に釣りを楽しんでいたかも。
アクセスのしやすさも都内ならではだ。車はもちろんのこと、徒歩キャンパーでもアクセスしやすい。自分のように家から20キロ歩いて来るような徒歩キャンパーは皆無だろうが、東陽町駅-新木場駅-キャンプ場間を都営バスが運行しているので、東京駅から40分程でキャンプ場に着いてしまう。日帰り利用が多いのも頷ける。
キャンプデビューを検討しているなら、いきなり山間のキャンプ場で夜中に獣の気配慄く前に、こちらで夜の雰囲気やテントの試し張り、道具類のチェックをしておくのもいいかも。
都内にあってアクセスしやすく色々な楽しみ方があり、お手軽にキャンプしたい場合にオススメのキャンプ場だ。
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