カムイミンタラ -神々の遊ぶ庭で過ごした日々- 白雲岳野営場

daisetusan145 登山

二日目の朝は無音の中で自然と目が覚めた。

外の明るさがフライシートを照らす。

時計の針は4時30分、今回の縦走で目覚ましは必要ないようだ。

外に出てみると今日も快晴。穏やかな縦走となりそうだ。

山の中でのトイレ問題

起床後、野営地周りを散歩し体が目覚めたあたりで朝食タイム。

その後の珈琲をゆったり味わっていると、自然ともよおしてくる。

一昔前は近くの草むらへ行き、絶景を眺めながら野生動物と同じ営みをサクッ済ませればよかったが、ここ数年、山でのトイレ問題が大きくクローズアップされるようになった。

最近の登山ブームで富士山や屋久島、そしてここ大雪山系でも排泄物の垂れ流しが大問題となり、山へ入るときは簡易トイレの携行を必死にアピールするようになってきた。

確かに、これだけ急激に登山者が増えると生態系のバランスは一気に崩れる。

汚物が山肌を滝のように流れ出している光景は正直、ゲンナリする。

なので、簡易トイレは必須の装備になった。

以前は大きめの袋で嵩張るタイプしかなかったが、最近はコンパクトなサイズの簡易トイレも出回り始めた。

今回携行している簡易トイレ【ポイレ】

色々タイプが出回っているが、要は袋の中に収めたあとは凝固剤を入れ、漏れ出さないように袋の入り口を縛るだけ。至ってシンプル。

やり方としては流石に画像を載せるのもなんなので省略。

以下、想像力の世界。

1:スクワット態勢になり、片手を前から、もう一方の手を後ろにまわし黒いビニール袋本体を広げて漏れ出さないように覆う。(袋の中にお尻を落とし込む感じ?)

2:用が済んだら直ちに凝固剤を投入。(小には効果ありだが大にはあまり効果がないような、、、)

3:最後にできるだけ空気を出し、漏れ出さないよう袋の入り口を縛る。(間違ってもきつく縛りすぎて破かないように!)

携行トイレ自体の使用方法はこれで完了だが、黒い袋だけだと万が一のときに大変なことになるので、匂いの漏れ対策としてジップロックに入れ完成。

あとは食料と混同しないように別のスタッフサックに入れ、下山後に処分しやすいよう取り出しやすいところに保管しておく。

準備と後始末に若干時間がかかるが、慣れると今までの雉撃ちや花摘みと同じように済ますことができるので、これからは常識となっていくのだろう。

白雲岳野営場への縦走路

スッキリと朝のお勤めを終えたあとはテントを撤収して今日の目的地、白雲岳野営場に向かう。

コースタイムは3時間程度なのでお散歩の延長みたいなものだ。

ガツガツと急がなくてもいいので景色を眺めながら余裕を持って行動できる。

歩き始めて一時間ほどで間宮岳を通過。

それまでの荒涼とした景色から一変、ここから先は左手に御鉢平の絶景を眺めながら歩いて行く。

ところどころに日本一早い紅葉の卵が生まれていた。

北海岳の分岐点。

このまま進めば明日の目的地黒岳石室方面、トムラウシまで縦走する場合はここを画像奥、右手に進むことになる。

これだけ天気が良ければいっそトムラウシまで縦走したくなるが、その衝動を抑え、途中の白雲岳野営場を目指す。

白雲岳野営場

緩やかな縦走路をノンビリと歩いていると、やがて白雲岳頂上への分岐が現れた。時間的に余裕があったので、白雲岳に登ってから野営場に進むのもアリだが、白雲岳へは明日登ることにし、小休止に留めることにした。分岐をそのまま直進するとやがて白雲岳避難小屋が見えてきた。

白雲岳避難小屋に併設されている野営場にはお昼くらいに到着したが、既に数張りのテントが設営を終え登山者が寛いでいた。

取り急ぎ場所を確保し、小屋の受付で幕営料を払い簡単な説明を受ける。

ここから先はいよいよヒグマの生息地になるので、食料の保管はテント内ではなく、離れた場所に設置されているフードストッカーにいれるようにと強く言われた。リップクリームの類も同じようにフードストッカーに入れてくださいとのことだ。

山でできる最低限のクマ対策

本州の山ではフードストッカーを置いているのをお目にかかったことはないが、北海道では常識となっている。

餌を探しているヒグマ以外もキタキツネなどに持っていかれることが多々あるため、できるだけテントから離れた場所に保管するのだ。

ここのフードストッカーはステンレス製の頑丈な作りで蓋もロックが掛かる仕組みになっていた。

山の中では意外と匂いが目立つ、ではなく鼻につく。

特に人間が持ち込んだ食料は野生動物にとっては普段お目にかかれない好奇心をくすぐられる良い匂いなのだろう。

リップクリームでさえその対象となるのだから、匂いの強いカレーなどはクラクラしてしまうくらい誘惑される匂いに違いない。

今回の縦走で食料を簡便にしているのは匂い対策からなのだ。

確かに山で食すカレーは美味いが、北海道ではやめておこう。

本州でも最近はクマがテントを襲う事例が発生している。

上高地の人気の多いキャンプ場で、夜間にテントごとクマに引きずられて襲われそうになった女性登山者の事例はなかなか衝撃的だった。

おそらく、テント内にある食料、あるいは化粧品の類が出す匂いに惹かれたのだろう。

寝袋で寝ている最中に、テントごとズルズルと林の奥へ引きずられていく被害者は、きっと恐怖のどん底だったに違いない。

自分だったら一生のトラウマだ。

というわけで、縦走中の食事はエネルギー補給ができればそれで良しとしよう。

ちゃちゃっと夕食を済ませ、匂いが出るものはフードストッカーへ保管。

夕闇が迫る頃、稜線から大きな月が顔を出してきた。

そういえば明日は中秋の名月だったような。

小屋のベンチに佇み、トワイライトタイムをいつまでも楽しんでいた、、、

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