ワンコの反抗期と二度目のヒート

ワンコ

 ワンコが無事に1歳を迎え、日々元気に過ごしている。体つきはほぼ成長が止まり、豆柴らしい小柄な体型に固まってきた。

 一方、性格面では日々変化の様子を見せている。喜怒哀楽の感情表現が豊かになり、意思表示をハッキリと示すようになってきた。

初めての反抗期

 ワンコは成長の度合いにより何度か反抗期を迎えるようだ。我が家のワンコはパピー期特有の、誰にでも興味津々でフレンドリーな様子から変化の兆しを見せ始めている。

 それまでは、散歩中に顔見知りのワン友と出くわすと、大喜びで相手の懐に飛び込んでいっていたが、最近は少し警戒心が出てきたようだ。

 尻尾をフリフリしながらフレンドリーに近づくところまでは変わらないが、相手が体を撫でようとすると体を強張らせるようになってきた。

 大好きな相手なら唸ることはせず、いつまでも体を撫でてもらっているが、軽く挨拶を交わす程度の場合は、尻尾フリフリでニコニコ笑ってはいても、そこから先、体を撫でようとすると途端にムキッと牙をチラつかせてくる。

 そのイエローフラッグを無視してさらに撫でようとすると、【ワンッ!】と威嚇するようになった。

 相手がビックリして後ずされば、それ以上の威嚇はしないが、さらに踏み込んでこようとすると、ガウガウと反撃モードになる。

  パーソナルスペースを守りたいという意識が芽生えてきたのだろう。

 ただ、そんな状態になっても噛むようなそぶりは見せず、剥きっ歯の牙に手を当てても逆に嫌がるそぶりを見せるので、【噛む】ことは今のところ無い。

 とはいえ、万が一のことが起こっては大変なので、子供などが近寄ってきたときは、以前のようにストレートに撫でてもらうことは避けるようにしている。

 柴犬は自分と他者との距離を適度に保とうとする性質があるようで、これを【柴距離】と言うらしいが、たとえ自分や妻であっても、その傾向が出始めてきた。いつまでもベタベタとスキンシップをしていると、突然【ガウ!】と吠え、威嚇してくるようになった。

 吠えるタイミングはまったく予測不可能で、部屋で寛いでいる時も、軽く触れただけで【ガウ!】と吠える時もあれば、どんなにクシュクシュッと身体中を撫でまわしても嫌がること無くじっとしていたりする。

 ガウガウの種類もいろいろあるようで、楽しい気分を表現するガウガウもあったりする。どうやら、その時の気分次第で色々なガウガウを使い分けるようになってきた。

 ツンデレ気質全開だ。

 とはいえ、気分次第で突然【ガウッ!】とされても困る場面はあったりする。例えば、ブラッシング中や掃除機の邪魔になるので抱っこしようとした等々。

 気に食わないことがあるとガウガウと威嚇して、それが通ってしまうと、この先、ワガママ娘になること必至だ。こちらの意図しないガウガウは、その場で怒るようにしている。

 怒るときは叩くようなことは決してせず、目を見ながら短く低い声で【ダメ!】と一言だけ。普段の褒める時とはメリハリをつけ、その場で完結するようにしている。

 初めのうちはすぐに落ち着くわけではないが、何度も何度も根気強く繰り返すことで、ワンコ自身も少しずつ学習してくれるようになった。

 ダメ出しを的確に行うことで少しずつ落ち着きを取り戻してくれるが、激しくガウガウした直後は暫くの間は鼻息が荒く、興奮を鎮めるため自分なりに感情を落ち着けようと努力しているようだ。

 例えば、部屋で妻と楽しく遊んでいるときでも、突然、【ガウ!】と唸り剥きっ歯になる状況が増えてきたが、その瞬間、妻は無言で目を見つめ【ダメ!】と告げ、その場を立ち去るようにしている。

 この方法は、パピー期の甘噛対策と同じやり方で、ワンコの興奮を鎮めるための方法として有効なようだ。

 今ではワンコ自ら興奮が収まるまでその場でうずくまり、水を飲んで気持ちを落ち着かせている。自分なりに反省しているようだ。

 そして、興奮が収まると、トコトコと妻のいる隣の部屋へ向かい、ゴメンナサイと言わんばかりにペロペロと妻の足や手を舐め、上目遣いに様子をうかがい、素直な表情でヘソ天したり側でゴロゴロと丸まっている。

 野生の気質が強い柴犬にとって、ガウガウしてしまうのは防衛本能だ。それを完全に封じ込めようとするのは、感情表現の幅を狭めることになると思うので、その時のワンコの感情を見極め、どういうサインなのかを見落とさないよう心がけている。

二度目のヒート

 そんな状況下で二度目のヒートがやってきた。

 部屋でも散歩中でも局部を舐める頻度が増えたので、様子を見ようと体に触れると剥きっ歯で嫌がるようになった。

 そのうち、床に小さな染みが落ちてきたので、マナーパンツを履かせることにしたが、初めてのときと比べて猛烈に暴れるようになった。

 どんなに暴れて嫌がろうとも、ヒート時はマナーパンツを履いてもらうことに決めたので、ここは決して妥協しない。

 ガウガウと牙を剥きながら激しく抵抗するが、自分が体と顔をホールドしている間に妻がマナーパンツを履かせる連携プレーで履いてもらえるようになった。

 ところが、無事に履けたと思ったら、今度はその場で石のように丸まって動かなくなってしまう。

 ガウガウが通じないと思ったら何時間でも同じ姿勢でうずくまり、無言の抵抗を示すべく、全身から【動くもんかオーラ】が出まくっている。

 朝、二人が出かける時にマナーパンツを履かせ昼過ぎに妻が帰宅しても、朝と同じ場所で石になっている。

 パピーの頃、ワンコを見たベテラン飼い主さんに

 「このワンコは芯が強いワンコになるよー」

 と指摘されたが、予想通り、芯の強い頑固なワンコに成長してきた。

 散歩中も走らなくなった。

 ヒート中は、お腹に力を入れたり、走ったりすると出血することがワンコ自身も学んだようで、ちょっとでも違和感を感じると、すぐに座り込んで局部を入念に舐め、自分なりに体の変化を感じ取っているようだ。

 ひとしきり舐め終わった後は再び立ち上がるが、走ったり、機敏に動くようなことはせず、ゆっくりと歩きながら、ひたすらクン活に集中している。

 そんな様子を見ていていると、マナーパンツを着用するとお地蔵さんになる原因は、局部を確認できないことが理由なのではないかと思えてきた。

 隙間なくピッタリとしたマナーパンツは、人間から見ると安心感はあるが、ワンコからすれば日々の体の変化を確認できない。

 マナーパンツ着用中は、隙間から鼻先を突っ込んで状況を確認しようとしばらくの間は格闘しているが、そのうち諦めて丸くなってしまう。

 それならば、マナーパンツほど大袈裟ではなく、通気性の良いメッシュ生地でTバックのようなサポータータイプに切り替えてみた。

 薄手のマナーシートを付けて履かせてみると、自由度がグッと増した。鼻を突っ込み舐めることも可能になったので、ストレスがだいぶ和らいだようだ。

 それでもチョロチョロと動き回ることはせず、終日、丸くなっているか横になっている状態で過ごし、時折、鼻先を突っ込み成り行きを観察している。ヒート中は動くのが億劫なのだろう。

 食事に関しては、ほとんど口にしなくなった。

 好物の食材を鼻先に近づけても顔を背けて拒否してしまう。猛暑の影響も重なり食欲が落ちているのだろうが、ほとんど食べない状態が何日も続くとさすがに心配になってきた。

 動物病院で先生に相談すると、ヒート中はよくあるとのことだった。ホルモンのバランスで体が妊娠モードに入るようで、偽妊娠状態と言うのだそうな。

 偽妊娠状態のときは食欲が落ちたりすることもあるので、無理に食べさせなくとも良いということだった。体重も落ちているわけではないので、ワンコの好きなようにさせてあげてくださいと言われた。

 というわけで、二度目のヒート中は猛暑の影響も重なり散歩も積極的に行きたがらないので、陽が昇る前の早朝だけに減らし、それ以外の時間は部屋で好きなように過ごせるようにした。

 殆どの時間を大人しく寝て過ごしているが、それがヒート中のワンコにとって自然なリズムなのだろう。こちらからチョッカイを出す頻度も減らし、ワンコが動きたくなるまでリラックスモードで過ごしてもらうことにした。

 あっという間に生まれて1年が過ぎたが、パピーの頃と比べると喜怒哀楽の感情表現が一層豊かになり、自分の意思をハッキリと表現するようになってきた。その様子を間近で見ながら、ワンコも家族も、日々、色々な事柄を学び楽しく過ごしている。

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