ワンコと一緒に住処を追い出されそう

ワンコ

新年早々、生活基盤を揺るがす大問題が持ち上がった。

正月休みをワンコとゆっくり過ごし、気分一新で迎えた仕事始めの朝。今年は新たなステージへの序章になるかも? という新鮮な気分でマンション一階のエントランスに出ると、掲示板にデカデカと張り紙がしてあった。

目が点になってしまった!

このマンションはペット禁止だったっけ?

文面では該当条項を表示しているので、そう言われると元も子もない。

入居時に契約書の内容は説明してるはずでしょ?ということで、張り紙を掲示したのだろうが、はたして、入居時にどんな説明をしてもらったかどうか、30年近く前の内容を覚えている人が一体どれだけ居るだろうか?

賃貸なので二年毎に契約更新となるが、更新料の無い物件なので、家賃だけが書かれた紙切れが毎回ポストに入っているだけだ。そのため、契約内容を再確認するような機会もない。

それになにより、このマンションに住み始めて今年で30年近くになるが、入居当時から現在に至るまで、何世帯かの住人は犬や猫を飼っており、エレベーター内でもフロアでも犬や猫を見かけていた。そんな日常だったので完全にペットOKという認識だった。

念の為、契約内容を確認してみようと30年近く前の契約書を探したが、どこにも見当たらない。

おそらく、数年前に部屋の壁紙をDIYでリフォームした際、ついでに行なった断捨離で古い書類もバッサリと捨ててしまったので、その中に混じっていたのかもしれない。

さて、困ったことになった。

このマンションは妻と入籍した30年ほど前に入居したが、当時の不動産屋の社長は今の社長の先代で、とても親身になっていろいろなことを相談に乗ってもらっていた。細かなことは住人同士で解決してくれればいい、というスタンスの先代だったので、契約時にペット禁止の説明をされたかどうか、正直、まったく記憶に残っていない。

管理の緩い不動産屋さんのもとで、何十年にもわたり複数の家庭で犬や猫が飼われているので、ペットを飼っても良いのだと当然のように思っていた。

その後、先代が引退し、新しい社長に変わって10年以上になるが、その間も、他の住人はワンコを飼い続けており、代替わりしてからもペット禁止の告知を受けたことは一度もない。

世帯数も12世帯とこぢんまりしたマンションなので、他の住人ともほとんど顔なじみということもあり、ペットを飼っていない住人達からも我が家のワンコはとても可愛がられている。

そうした日常にあって、不意打ちのような突然の告知が行われたことで、我が家も含め、他の住人も相当戸惑っている感じだ。

そもそも、ペット禁止が明確に周知され徹底されていたら、絶対に飼うことはなかったが、ペットを飼っている世帯が何世帯も存在する中で、いくら契約書に書かれているからといって、突然、ペット禁止を全面に出されたところで、どうすれば良いのか?

一体、どういう経緯で突然の告知となってしまったのだろう?

仲の良い古参住人に状況を聞いてみたところ、最上階の住人が飼っている犬の鳴き声がうるさいと、昨年入居してきた若夫婦から不動産屋にクレームの電話が入ったようだ。

その点について、社長が直接電話で当該住人に確認したところ、電話口から盛んに犬の鳴き声が聞こえたらしい。更に、事情を確認すべく、当該住人宅へ訪問し玄関先で話し合っていたら、部屋の奥から犬が吠えるのを目の当たりにし、契約違反に該当するのでなんとかしてほしいと言ったところ、当該住人が開き直ってしまったらしい。

その結果、不動産屋の社長が激怒してしまい、態度が硬化してしまい今回の騒ぎに発展したのだ。

当該住人がもう少し謙虚な態度に出ていたら、全世帯を巻き込む事態に発展する前に個別対応で解決策が見つかったかもしれない。

その当該住人は、自分たちが入居する前からいる古参のオバサンで、ワンコを連れてよくエレベーターを利用していた。顔を合わせれば挨拶をする程度の間柄だが、他の住人や不動産屋との間で過去に色々なトラブルを巻き起こしているようで、不動産屋や古参住人たちからは煙たがられている存在らしい。

言われてみると、当該オバサンのワンコはエレベーター内でよく吠えていた記憶がある。無駄吠えに対する躾をキチンと行っていないことがうかがわれる。

犬の鳴き声問題は、近隣トラブルの大きな原因の一つだ。

我が家がワンコをお迎えするにあたっては、その点はすごく考慮した。たとえペット可であったとしても、他の住人がうるさく感じるようならネガティブな感情が増幅してしまい、仲違いに発展することもある。

そうした状況にならないように、我が家のワンコの無駄吠え防止策としては、日々の散歩を思いっきり楽しんでもらうことで、ストレスを溜め込まないように心がけている。もし、無駄吠えが頻繁に発生するような事態になったとしたら、直ちに専門のトレーナーに教えを乞うことも視野に入れていた。

幸い、家に居るときに無駄吠えは一切なく、穏やかに過ごしているので他の住人に迷惑をかけている様子は無い。

鳴き声のクレーム以外では、頻繁に外へ連れ出す姿が目撃されていると記載されている。

これはうちのワンコのことだろう。ワンコを外に連れ出す時、エレベーターは絶対使わず、外階段を使うことを徹底している。犬を飼っていない他の住人に配慮していたのだが、そもそも、コソコソ飼うつもりは全く無かったので、時間帯問わず外階段を使って外に連れ出していた。それがかえって裏目に出てしまったようだ。

一番の原因は、最上階のワンコの鳴き声のようだが、堂々と外階段を使っていることが火に油を注いでしまったのだろうか。

いずれにしても、ここまで大っぴらに張り紙が出されてしまった以上、今後の方針を決めなければならない。

何はさておき、まずは不動産屋にお詫びと飼うに至った経緯を説明すべく休日に不動産屋に出向いたが、社長は不在で初めて見る事務員しかいなかった。

とりあえず飼い始めた経緯を事務員に説明し、改めて社長に面会を求めたが、断られてしまった。どうやら居留守を使われていたようだ。同い年の社長で、以前は色々と世間話なども交え相談に乗ってもらっていたが、今回の件に関しては完全にヘソを曲げられてしまったようだ。

告知書によると、ペット禁止なので飼うことをやめなければ契約解除と記されている。

そうすると、今後もこの部屋に住み続けたいのなら、里親を探してワンコを手放すか、山の中にでも捨ててくるか、最悪、保健所で安楽死をさせろということなのだろうか?

不動産屋から戻り、妻と今後の方向性を話し合っていると、

ワンコと離れるような暮らしは絶対嫌!

どんなボロ屋でもいいから、最後までワンコと一緒に暮らしていきたい!

と、泣きべそをかきながら訴えている。

妻よ、よくぞ言った!

ペットをお迎えしても、些細なことで手放す飼い主も大勢いる中、妻の決意を確認できたことで自分の腹も決まった。

ワンコと一緒に住める家に引っ越そう!

新しいステージに変わる予感が一気に現実味を帯びてきた。

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