正月の恒例行事となっている東西南北のパワースポットへの初詣。
今年はワンコの社会化トレーニングも兼ねて一緒に行ってきた。
ワンコの人見知り、犬見知り対策
うちのワンコは人に対する過度な警戒心は今のところほとんど無い。
散歩デビューの前から抱っこ散歩で近所をうろつき、出会った人達に笑顔で撫でてもらった体験が幸いしたようで、見知らぬ人に出会っても吠えたり怯えたりする素振りは全く無い。
しかも、犬好きな人を嗅ぎ分ける能力に長けているようで、前方から歩いてきた人に対しては、伏せの状態で尻尾を振りながら待機し、自身に興味を示した人に対しては尻尾をプロペラにして喜びを表している。一方、そのまま素通りする人には直ぐに気持ちを切り替えて、サクッとその場を立ち去る。
特に小さな子供などは大好きなようで、もみくちゃにされてもじっと耐えている。最初の頃は子供に噛みつきはしないかとヒヤヒヤもので、突然噛みついたりしないよう常に両手で体をしっかりとホールドしているが、怒る素振りは微塵も見せず、むしろ、差し出された手をペロペロと舐めようとするので、その度に子供たちから歓声が上がる。
そういった状態で日々散歩を楽しんでいると、同じように散歩をしている犬にも出くわすが、ワンコの態度は人に対するスタンスと全く同じで、まずは伏せの状態で相手の出方を待っている。他の犬が近づいてくると、尻尾をフリフリしながら鼻と鼻を合わせたり、更に進んで鼻ツンしたりおしりの匂いを嗅いだりして自己紹介をしている。
日常の散歩は穏やかに行えることがわかったので、更に一歩進み、人混みや公共交通機関内でも大人しく過ごせるように、正月恒例のウォーキング初詣にワンコと共に行ってみることにした。
ワンコを連れて初詣
自宅を起点として片道5キロ程度のところに割と有名な神社仏閣があり、正月は多くの人で賑わっている。人の散歩にもワンコの散歩にも程よい距離なので、行きは散歩がてらウォーキングで、帰りはワンコのコンディションを見ながら交通機関で帰って来るプランを実行してみた。
いつもの散歩コースから更に先へ新しい道を進もうとすると、まずは立ち止まり拒否芝モードになるが、妻が先に行くとワンコも釣られて歩き出す。そして妻を追い越すとワンコは振り返り、
[私のほうが早いんだから~]
と言っているかのように楽しそうに歩いている。
みんなで行く散歩は一番のお気に入りのようだ。
残り1キロくらいのところまで来ると、見知らぬ街で疲れてきたのか、顔を上げ抱っこをせがんでくる。この先、人も増えてきそうな気配だったので、そこから先は抱っこモードに切り替えた。
やがて境内が見えてくると、いろいろな人達が新年の穏やかな表情を浮かべている。ワンコ自身も抱っこされて楽ちんなのだろう。気分はルンルンのようで、腕の中でキョロキョロと周りを見渡してフリフリと尻尾を振っている。
最近は、ワンコを連れて参拝することを禁じている神社仏閣もあるようだ。一部のマナーが悪い飼い主が原因なのだろう。はじめに訪れた神社はペット禁止とは表示されていなかったが、晴れ着の女性もいたりしたので、そのまま抱っこで鳥居をくぐりお参りすることにした。
参拝を終えるとちょうど昼時、境内には色々な屋台から美味そうな匂いが漂ってくる。ベンチ併設の出店があり、ワンコ連れOKということだったので熱々のおでんを頬張ることにした。
ワンコも足元で食べたそうにしていたので、はんぺんや大根を口で小さくちぎりお裾分け。
翌日訪れたお寺は、正月の期間限定で敷地内はOKだが、参拝する階段を登るのはNOと警備員に止められてしまった。二人して毎年連れ立ってお参りし、一緒におみくじを引くのが恒例となっていたが、今回はどちらかがワンコといっしょに外で待機し、交代でお参りすることになってしまった。今後は、もっと遅い時期に来ることにしよう。
今回の出店は隣に人が座っていたのでバッグの中から顔を覗かせ頂戴アピール。携帯していたオヤツをカリカリと楽しんでいた。
バスと電車を使った社会化トレーニング
こうして多くの人々が行き交う異空間で過ごした後、いよいよ今回の目的、公共交通機関を使った社会化トレーニングを行うことになった。もし、車内で暴れたり吠えたりしたら直ぐに降車し歩いて帰るつもりだ。
ワンコを連れてバスや電車を利用する場合、指定サイズ以内の入れ物に入れていれば車内持ち込みOKのようだ。大型犬はサイズオーバーになってしまうが、そこは豆柴、車内持ち込み可能なサイズの色々なクレートやキャリーバッグが販売されている。
以前、動物病院に行く時はプラスチック製のクレートで運んだが、ゴツゴツしているのと片手で持たなければいけないので非常に疲れる。なにより、ワンコが成長して窮屈になってしまい、今ではオモチャ入れになってしまった。
新しく手に入れたバッグは、一見するとワンコが入っているようには見えず、街なかで持ち歩いていても違和感のないデザインだ。トイレシーツや小物を入れるポケットなどもあり、三方向から出入りできる作りになっているので、様々な場面で使い勝手が良さそうだ。
一番気に入ったところはリュックとして背負える作りになっているところだ。背負った時にブレないようにウエストベルトなども付いているので、これなら安心して長時間担ぐことができる。
初日の神社からはバスで帰ることにした。
バス停でワンコをバッグ入れると初めは戸惑っていたが、すぐに慣れたようだ。ワンコが落ち着いた頃合いを見計らって、ドキドキしながら車内へ乗り込む。
バスは程よい混み具合で、最後尾のシートに座ることができた。独特の静けさの中、エンジン音の唸りを上げて動き出したが、加速や減速の時でも暴れたり声を出したりすることもなく、側面の網目から外の景色を不思議そうに眺めていた。
途中から上部のファスナーを開けると、ヒョッコリと顔を覗かせ穏やかな表情を浮かべていたが、初めての参拝で疲れたのだろうか、しばらくするとバッグの中で眠ってしまった。
翌日のお寺からの帰りは電車を利用することにした。
駅の敷地に入る前にバッグに入れ改札をくぐり、ホームの最後尾でバッグを下ろし、周りに人がいないことを確かめてから上部を少しだけ開放するとひょっこりと顔を出す。こうして電車が来るまで周りの雰囲気や構内の騒音に慣れさせ、怖がらないようにしておいた。
電車が構内に入ってくると、その勢いに少し怖気づいていたが、上蓋を締め穴蔵のようにしてあげると落ち着きを取り戻した。
車内は八割ほどの混み具合で座ることはできなかった。扉脇のスペースに置いて蓋類はすべて閉ざし、外が見えないように完全に締め切った状態で床に置き、両足でバッグを挟みしっかりとホールドして移動することになった。
アイコンタクトはできなかったが、足に伝わる感覚から想像すると、丸くなって眠ってしまったようだ。
車内での移動時間はバスで30分、電車で15分程度だったが、暴れたり吠えたりすることもなく無事に経験することができた。
今回はいつもより遅い日程でお参りしたこともあり、どの神社仏閣も比較的空いていた。人混みで長時間行列しながらの参拝は避けることができたので、初めての人混みトレーニングにはいい機会だった。
今後、万が一、大規模な災害に見舞われた場合、避難所で多くの見知らぬ人達と過ごす機会もあるかもしれない。そういう時に他の人達に迷惑をかけないでワンコと一緒に過ごしていくには、今のうちからいろいろな社会化トレーニングを行い、もしもの時に備えておこう。
これからも、できるだけ様々な方法で人や犬達との交流を持ち、穏やかな性格のワンコに育ってほしいと思っている。
コメント