お局様からパワハラ被害に遭う日々

日常

新しい仕事先での業務が6月最終週から開始となった。

7月から現地入りするため、本番に備え社内研修を受けることになったのだが、研修担当の女性社員が超絶勘違いオバサンだった。

新しい職場の実態

今まで、色々な企業と契約し特定の業務をこなしてきているが、まずは社内で企業の方針や業務の進め方などを確認し、それに則った内容で業務をこなすようにしている。

今回の企業の場合、現業と重なる部分もあり特殊な状況下での業務となるが、担当部長が明確なロードマップを示してくれ、それに則って業務を覚えて行けばいいということで双方共に合意に達した。

なので、まずはキッチリとした枠組みの中で動くのではなく、状況を見ながら対応を模索していくことになった。

そうした合意のもとで社内研修が始まったのだが、業務内容をレクチャーしてくれる女性社員は、その時の思いつきで行動するタイプのようで、説明内容は支離滅裂、その割には仕事の進め方を一言一句、挙句の果てはマウスの持ち方まで自分と同じ持ち方を強要してくるのだ。

更には、それまで携わっていた当方の仕事を全否定し、

「私はあなたの業績は一切認めない!」

と他の社員が見ている前でも執拗に繰り返す始末。

女性社員とは職種が共通しているため、いつも現場で顔を合わせる事が多く、それなりに話す機会はあったが、顔を合わせるたびに当方の仕事の進め方を全否定してくるような態度だ。

自分の部下でもなく、自社の人間でもなく、他所の会社に属している人間に対し、仕事内容にケチを付け全否定してくるような中年女性。

その時点で人として終わっているので現場では適当に受け流していたが、そんなオバサン社員が今回の会社の指導教官として自分に付くことになったのだ。

因みに、自分の業務に関しては、過去何十年にわたり色々な企業のもとで請け負ってきたが、クレームが来たことは一度もない。それどころか、次回も自分を指名してくれるところが大半だった。そういう実績を認めてくれたからこそ、今回も役員からお声をかけていただいたのだ。

にも関わらず、事あるごとにマウントを取ろうと躍起になっている。自分としてはマウント取りなど全く興味がないので、好きなだけマウント取ってくれていいのだが、お局様のイエスマンになるため業務を引き受けたのではない。

頼みの綱が切れていた

このような状況になることは契約段階で予想していたので、もし困った状況になったら、札幌で仲良くなったチームリーダーに相談すればいいかと思っていた。

札幌出張時のチームリーダーは30代前半の女性だったが、リーダーとしての資質を充分に備えていた。周りに対してとても気配りがうまく、若手やベテランの間に立ち現場をうまくコントロールしており、性格も穏やかな気質で、キチンと会話のキャッチボールができる女性だった。

そのチームリーダーの姿が社内で見受けられない。

オバサン情報によると(噂話大好きオバサンなので、研修中もすぐに世間話に脱線し、いろんな社員の学歴や病歴などプライベートな内容も楽しそうに喋ってくれる)、3月の札幌出張から戻って一度も出社していないらしい。メンタルをやられてしまったらしく、辞める方向で話し合いが進められているという。

確かに、札幌出張はトラブル続きで、最終日あたりに顔を合わせると相当疲れが溜まっているような感じだった。そんな札幌での状況は、オバサンの立場なら一緒に仕事をしていたのでよくわかっているものと思っていたが、

「札幌で相談とかされなかったの?」

と問うてみると、

「私には一切なかったのよ~ そこまで落ち込んでいるようには見えなかったし、、、」

どうやらお局様確定のようだ。

一見仲良さそうに見えていたのは表面上だけで、彼女はお局様の幼稚な振る舞いに辟易していたのだろう。そうした視点で改めて社内の様子を眺めてみると、多くの社員がお局様の言動に萎縮し面従腹背の状況だった。

本人だけが得意顔。

優秀な社員は一人、二人と静かに去り、気がつけば幼稚な大人が幅を利かす。

社内アルアルだ。

さて、この先どうしたものか、、、

終わりと始まり

そんなお局様との社内研修最終日、一人でランチを食べに外出すると札幌でのチームリーダーと鉢合わせした。札幌での姿からは別人と思えるほど痩せて髪型も変わっていたので、一見誰だかわからなかった。

それでも笑顔は以前と同じだったので、

「オゥ、久しぶりー!」

と声を掛けると

「お昼ご一緒したくて待ってました」

なんとも嬉しいお誘いじゃないか!

退社時刻なら以前のように上カルビ確定コースで大いに盛り上がるところだったが、残念ながら短い昼休み。近所のベトナム料理店でお互いの状況を話し合った。

この日が彼女の最後の出社日で、午前中に社内で退社の挨拶をしていたとのこと。話しぶりからは既に踏ん切りはついたようで、次の仕事はまだ決まっていないとのことだったが、何はなくとも瞳は元気な輝きを放っていたので問題なさそうだ。

彼女は札幌出張から戻って暫くの間は、起き上がることもできなかったそうな。その後は新しい仕事を探す前に心身の回復を優先して過ごしていたとのこと。そして元気になってから仕事を辞める決断をしたとのことなので、先のことは全く未定だとしても、マイナスな方向には向かわないだろう。

人はなにか大きな決断をしなければいけない状況になったとき、ネガティブな精神状態で下した決断は良い方向には進まず、悪手になることが多い。なので、心が疲れているときや、落ち込んでいる時は大きな決断は避け、まずは心の回復を最優先するように努め、心がフラットな状態、ポジティブな状態に戻ったときに改めて大きな決断をするといい波に恵まれるようだ。

彼女はサバサバした表情で【今】の心境を語ってくれ、いつもの優しい笑顔でフォーを啜っていた。

心の状態を判断する目安

一つの目安として、例えば、美しい紅葉や雪景色、水平線から登る雄大な朝日などの自然な情景に身を置いたときや、大好きなごちそうを目の前にしたときにどのように感じるのか。

眼の前の風景がただの眼の前に映る景色としか思えないような時(例えばモノクロの状態)や、素直に美味しい!と思えないようなとき。そんな時は落ち込んでいたり、悩みを抱えていたりすることが多い。

そういう時は心の休養を最優先に行動しよう。

心のバロメーターがマイナスの状態で好物を食べても、ついドカ食いしてしまったり、あるいは吐いてしまったりすることになるので、まずはマイナス要素のデトックスの意味でも無理には食べない。最低限の食事で自分を許してあげよう。

時間が許す限り美しい自然の中に身を置き、ぼんやりと眺めているだけでも少しずつモノクロが色づきササクレだった心が落ち着いてくる。気がつけば元気になっている自分を発見する。そうなればしめたもの。そこにウォーキングや運動で汗を掻くと腹も減る。それと比例して食欲も湧いてくるようになる。

長年、各地で登山やキャンプに明け暮れていたのは、なんとかしてポジティブな状態になりたいと無意識のうちに心が求めていたのだと思う。

そんなことをふと思い出していたら、ランチタイムも終わりになっていた。

色々話したかったがお局様との研修状況をざっくり話すと、彼女はお察しのようで、

「jinjinさんなら大丈夫ですよ~」

笑顔で励ましてくれた。

その後、ランチを終えた二人はお店の前で終わりと始まりの挨拶を交え、それぞれの道へと進んでいった。

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