前回の富士山登りましたか?に続いてよく聞かれるのが、
「キャンプって何やるんですか?」
「キャンプって何が楽しいんですか?」
という質問だ。
特に若いにーちゃんから聞かれることが多い。
キャンプでどう過ごしているか、自分なりの楽しみかた。
支笏湖モラップキャンプ場
羊蹄山の美しい山容に別れを告げ、次の目的地である支笏湖モラップキャンプ場へは車で1時間ほど。のんびりとドライブを楽しんでいればあっという間に着いてしまう。
支笏湖は湖畔を取り囲むように恵庭岳、樽前山、風不死岳といった個性的な山が連なり、その時の天候や気分でどの山に登るか選ぶ楽しみがある。 今回は、前日の羊蹄山に続き一日空けて恵庭岳に登ろうと思い、そのためのベースキャンプを支笏湖畔に設定することにした。

昼過ぎにキャンプ場に着き手続きを行うと、湖畔の好きなところに設営していいと説明された。平日だったので他のキャンパーは殆どおらず、せっかくなので管理棟から一番遠いエリアに設営することにした。
管理事務所から湖畔沿いを右側にどんどん進み、地図からさらにはみ出したところにキャンプ場の境界線を示すかのような大きな岩がある。今回はこの場所にテントを張ることにした。ここまで来ると駐車場の喧騒も届かない。静かな湖畔で過ごすことができそうだ。



因みに、支笏湖もヒグマの生息域として知られているが、この頃は、まだ熊の被害がほとんど報告されておらず、キャンプ場も熊の目撃情報が出ているものの、そこまで神経質になっていなかった。
コロナ禍でキャンプ場から人の姿が消え、残飯を漁るようになった野生動物たちがコロナ禍が終わってから急速にキャンプ地にも出没するようになり、ヒグマも頻繁に出没するようになったようだ。近年の熊被害は人災の側面が多い気がする。
透明度が日本一の湖
北海道らしい爽やかな日差しのもとで設営を済ませると、気がつけばうっすらと汗ばんでいた。
今回のキャンプ地である支笏湖は日本一の透明度を誇る湖ということで、陽射しに照らされた湖面はどこまでも澄んでおりキラキラと輝いている。筋肉痛でパンパンになった足で浅瀬をチャプチャプしていると、予想以上の冷たい刺激が心地良い。



ひとしきり水辺で足を冷やした後は湖畔を散策。モラップキャンプ場は道内でも人気のキャンプ場ということだが、この日は平日ということもあり空いており、静かな散策を楽しむことができた。眼の前に広がる美しい湖畔の景色をぼんやりと眺めながら散策を楽しんでいると、いつのまにか無心になっていることに気がつく。




夕食はスーパーで購入した食材で簡単に済ます。ソロキャンプのときは食事にこだわることはしない。簡単に作れてお腹を満たせればそれで良し。マジックアワーをのんびりと眺めながら時間を気にせずシンプルな食事を楽しむ





もともとは登山の延長でキャンプをやるようになったので、キャンプで色々なアクティビティを楽しむというより、登山に備え、あるいは登山後の休養をするためにテントを張る事が多い。
今回のキャンプは、前日の羊蹄山で久々に味わった全身筋肉痛の疲労回復と、翌日に恵庭岳を登ることを予定していたので、ゆっくりと体を休ませることをメインとしていたが、明日は天候が崩れそうな予感。天気予報では曇りということだが、山の天気はその時になってみないとわからないことが多い。
明日のことは明日になってみないとわからない。
山登りをやるようになってから学んだことだ。登山中に先のことをあれこれ考えていても注意力散漫となり、浮石に足元をすくわれ転んだりして怪我につながる。
今、眼の前にある道をしっかりと見据え、一歩一歩無理せず歩く。もし、ガスが出ていてホワイトアウトしているようなときは、決して無理をせず、その場で様子を伺い、やがて晴れてきたら再び歩き出す。
このような思考パターンで山登りが出来るようになってからは、道に迷ったり怪我をすることも無く、最後まで無事に下山できるようになった。
なので、明日の登山をどうするかは翌朝に目覚めてから決めるとしよう。今は静かな湖畔の夕暮れを楽しむことだけを考える。

プランB
翌朝、シートをめくると辺り一面霧に覆われていた。山の頂も雲に隠れており、どうやら天候は下り坂の様子。目覚めの散策をしていると霧は晴れてきたが、雨雲の厚みはどんどん増している。






朝食後の珈琲を飲んでいると、ポツポツと雨粒がシートを濡らし始めた。
これから雨が強くなってきそうな予感。もし晴れていれば恵庭岳に登り翌日チェックアウトする予定だったが、今日の恵庭岳登山は諦めよう。早めにテントを撤収し、キャンプ場を後にする頃には雨雲がどんどん濃くなっていた。
キャンプ最終日はテント泊からホテル泊に切り替えることにした。雨が降ったり止んだりの空模様の下、のんびりとドライブしながら札幌市内に向かって予約サイトをあたっていると、平日なので予約はすんなり取れた。
予約したホテルは市内ではなく、郊外のゴルフ場に隣接した温泉併設のホテルだ。チェックインの手続きを終え部屋に入ると、雨が本降りになり窓を激しく叩き始めた。早めに決断しキャンプ場を後にして正解だった。
ツインの部屋だったので片方のベッドに雨に濡れたテントを広げ乾かしながら、同時に道具のメンテナンスを行う。キャンプ後はできるだけ早くメンテナンスを行うことでテントや道具の寿命がグッと伸びる。





テントを乾かしている間、併設の温泉でゆっくりと湯に浸かりキャンプと登山で強張った体を解していく。風呂上がりに食べたラーメンが妙に美味かった。
こうして4泊5日の北海道キャンプ&登山の休日は、最終日を温泉ホテルに急遽予定変更し、ちょっとだけ贅沢を楽しみ終えることができた。仕事の日程が平日を中心にギチギチに固まっていると出来ないようなプランだが、フリーランスの場合は自分次第でどうにでも調整ができる。
キャンプにしろ、登山にしろ、予め決めたスケジュール通りに過ごそうとしても無理が生じることもしばしば。先々のことを頭の中であれこれ描いてみたところで、思い通りにならないのが世の常だ。
未知数だらけの未来を思い案ずるより、今出来ることを楽しむのが自分のなかでのキャンプの楽しみ方だ。

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