夜型人間から朝型人間へ

早起きは三文の得 睡眠

古今東西の偉人たちや、社会的に成功を収めている人達の多くが朝方の習慣で日々を過ごしている。
それはなぜなのか?
昔から早起きは三文の得と言われているが、誰もが三文どころかプライスレスなお得感を実感できるというお話。

筋金入りの夜型人間

幼少の頃から筋金入りの夜型人間だった。
毎晩母親が帰宅するまで安心して眠ることができなかったので、ウィークエンダーや11PM終了後はテレビの砂嵐を見つめながら色んな想像をめぐらせ、布団の中では本を読みながら母親の帰宅を待っていたので、気づいたら深夜4時、5時(もはや深夜とは言わないか)に眠る習慣になってしまった。
朝は幼稚園や学校の時間に間に合わせるために無理やり起きるのだが、眠くてしょうがないので食欲もわかず、朝ご飯抜き、遅刻の常習者だった。

・夜更し・睡眠不足・朝食抜き

このリズムが幼少の頃からの自分のリズムだった。
今にして思えば成長期の子供にとってはダメダメな状況なのだろうが、それでも、中学に上がる頃には既に身長180センチは超えていたので、【寝る子は育つ】というのは必ずしも万人にあてはまる真理ではなさそうだ。

ただ、健康優良児には程遠く、朝礼時は頻繁にブッ倒れて保健室に担ぎ込まれ、虫歯に悩まされ、また風邪を引きやすく、扁桃腺がすぐに腫れて40度を超す高熱も頻繁に出していた。
社会人になってからも特技はどこでも眠れるというくらい日中は常に睡魔との戦いで、会議中にウトウトしたり、ここ一番のときのパフォーマンスも上がらなかったりしていた。
仕事の納期に追われ徹夜で書類を作ることも頻繁にあったが、結果として色んなストレスが体内に蓄積され体に変調をきたすようになった。

継続は力なり

そんな筋金入りの夜型人間が50を過ぎる頃から朝方に切り替わってきた。
キッカケは義父の存在が大きいと思う。

今年が歳男の義父は23時就寝、朝6時起床というリズムを子供の頃から定年を過ぎた今でも守り続けている。
そのおかげなのか寝付きも非常に良く、布団に入れば1、2、の3で深い眠りに落ち、朝は目覚ましがなくても自然と目が覚めるらしい。
睡眠の質が非常に良いということなのだろう。

日常生活では毎晩ビールを5本、タバコもスパスパ吸っていたが、健康診断は全ての数値が優良で、子供の頃から風邪一つひいたことがないそうだ。
更に驚くべきことに、昨年2020の1月に重度の前立腺がんが見つかったのだが、投薬のみの治療で年末には癌はほぼ消滅してしまった。
通常なら一桁台が正常値なのに数千台の異常値を示していたが、年末には一桁台に戻ったのだ。

近年、前立腺がんの治癒率は飛躍的に向上しているようだが、それでも驚異的な回復力に主治医も驚いており、本来なら抗がん剤の副作用でいろいろな弊害が予想されていたが、副作用も一切なかった。
肝臓や腎臓がとても良好な状態らしく、薬が非常に良く利いたのが大きいのではないかということだ。

これだけ健康体でいられるのはなぜなのか?
良質な睡眠をとっているのが大きいのでは?
こんな疑問が湧いてきたのだ。

量より質-睡眠の質を重視

近年の研究によると、睡眠にはゴールデンタイムというのがあることがわかってきた。
人は眠っている間に脳や体に溜まった疲労をリセットし、色々な不具合をメンテナンスしているようで、少々の怪我や疾患は良質な睡眠を取れていれば本来備わっている体内の修理部隊が自ら直してしまうようだ。
逆に、質のいい睡眠を取れていないと脳内に疲労物質が蓄積され、ネガティブな思考に支配されたり鬱状態になりやすくなったりするらしい。

確かに、睡眠不足が続いていると肌艶が無くなりガサガサしてくるし、食欲もなく、口内炎がいつまでも治らなかったり、怪我の治りも遅い気がする。
ちょっとしたことでもイライラしたり怒りっぽくなったりするのもしかり。

病院に入院すると消灯時間と起床時間が早かったりするのはそれなりの理由があるのだ。

その睡眠も、ただタップリ眠ればいいというわけではなく、おおよそ22時から2時くらいが睡眠のゴールデンタイムに該当し、この時間帯に深く熟睡できていれば体内の免疫力や疾患を治す力が大幅に増すらしい。

ただ、現代社会ではゴールデンタイムは人それぞれのようで、無理にこの時間帯に合わせることより、睡眠の質を上げるほうが重要なようだ。
一般的な人は日中に活発に活動しているので、上記時間が当てはまるが、例えば、夜勤が主な生活リズムの場合はゴールデンタイムもその人のリズムに合わせてずれるのだと思う。

自分の活動時間がどの時間帯に当てはまるかで対応すればいいのだろう。

というわけで、睡眠をきちんと摂ってみようと思い始めたのが50を超えた辺りからだった。
当初はなかなか早寝早起きに切り替えることができず、つい夜更し生活に戻ってしまっていたが、それでも少しずつリズムを整えるよう意識していった結果、最近は日付が変わる前には爆睡モードに入り、朝は5時には目が覚めるようになってきた。

以前は徹夜で突貫仕事をこなしていたが、最近は早起きして仕事を片付けるようになった。
徹夜で仕事をしていたときはダラダラと時間をかけていたが、早起きして朝の静かな時間帯に集中することで時間あたりの質が大幅に向上した。

早起きにデメリットは見当たらず、むしろメリットだらけだと気づいた。

早起きのために実践していること

最近の習慣を時系列に沿って並べてみた。

起床時は軽めのウォーキング

起きがけは体がまだ完全に目覚めてないので、いきなりジョギングなどをするのではなく、まずは朝の新鮮な空気を体内に取り込み細胞を目覚めさせることを意識する。体が暖まってきたらその時の体調と相談しながらスピードアップ

日中はできるだけ陽射しを浴びる

特に午前中に日差しを浴びると、ゴールデンタイムに良質な睡眠が取れるような成分が脳内に出てくるようになる。ウォーキングがしんどいな~と思った時は無理はせずに素直にサボる。その代わりカーテンを開けて朝日を取り込む。雨や曇りで薄暗い時は部屋の電気をMAX にする

晩御飯は早めに済ます

睡眠時に胃袋に負担がかかっているとなかなか寝付けなかったりする。
仕事で帰りが遅くなったときは消化の良い食事を軽めに。なかなか難しいところだが、色々工夫することを楽しいと思えるように気持ちを切り替える。

ぬるめのお湯でノンビリ入浴

寝起きは熱いシャワーや風呂が効果的だが、夜に熱い風呂に入ると体は緊張状態になってしまいなかなか寝付けない。夜の入浴は、少しぬるいかな?と思える程度の風呂に15分~30分程度浸かると体の深部が温まり緊張が解けリラックスモードに入っていく。
強火で一気にステーキを焼くと中はピンクのまま、弱火でじっくり火を通すと中までしっかり火が通っているのと同じ理屈。

入浴後は部屋の灯を暗めに

人類は太古の昔から夜は月明かりや焚き火の仄かな灯りで過ごしてきた。
なので入浴後はいきなり布団に入るのではなく、月明かり 程度の薄明かりの中でストレッチや瞑想、あるいはボ~ッとすることで一度上がった深部体温が下がり始め、脳や体がリラックスモードに入っていく。

布団に入ったら読書やスマホは見ない

これは非常に大切なところで、せっかく日中に良好な状態で活動していた脳や体が最後に良質な睡眠状態に入ろうとしているのに、最終段階で再び考えたり刺激の強い光を浴びたりすると脳は一気に興奮状態に戻ってしまって逆効果、全てが台無し!

スマホはナイトモードに切り替えSNSの着信音が鳴らないようにしてしまう。仮に気づいても放置。一晩返信しなかったくらいで壊れてしまう関係ならそれまでの関係と割り切ろう。

出来ることから始めよう

これらをいきなり全てこなしていくのは大変だし、今でも日々全てを完全にルーティーン化できてるわけではないが、出来ることから一つずつ、その時の状況に合わせて取り入れることで、だんだんと寝付きが良くなってきた。
今では真夜中の時間帯はとても深く眠っているようで、妻が時折目が覚めたときに見惚れるくらい、ゆっくりと深く深呼吸をしながらぐっすりと寝ているらしい。
その妻は自分よりも良質な睡眠を取れているが、もともと早寝早起きだったので、やはり義父の遺伝子を受け継いでいるということか。

早寝早起きはメリットだらけ

このようにして朝型に切り替わるまでに3年ほどかかっただろうか。
長年の習慣を切り替えるのはかなり大変だったが、今では目覚ましをかけなくとも自然と早朝に起きられるようになった。
体調もすこぶる良くなり、日中は頭もスッキリと冴えわたっている。
以前は会議中に猛然と睡魔に襲われたり、新幹線や飛行機に乗った途端爆睡モードに入っていたが、最近は眠くならなくなったので、その時間を読書や仕事の資料に目を通したりして有意義に過ごせるようになった。

更に、イライラしたり怒ったりする負の感情から遠ざかれるようになった。
このメンタル面での変化は非常に有意義で、昨年から続くコロナ禍においても漠然とした不安感に日々を悩ませることもなく、現実を直視し正しく恐れ、今できることに集中できるようになってきた。

新しい年が明け色々な願い事や決意を胸にする時期だと思うが、良質な睡眠を最重要テーマに掲げるのはいかがだろうか?
どんな状況にあっても、どんなに苦しくても人は必ず眠る。
なかには不眠症で全く眠れないという人もいるが、それでも極々短時間ではあっても少しは眠っている。
その眠りの質を上げることはお金もかからず誰もが今夜からすぐに実行できる。

早起きは三文の得どころか、プライスレスな状態に近づく大きな一歩だ。

 

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