ゆるキャン△の聖地で冬キャンプを楽しんできた -富士川キャンプ場-

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友人のYが長年勤めていた会社を辞め、3月から新しい会社へ転職することになった。2月末まで有給休暇を取り、各地を旅しているらしい。

その間、自分は静岡で仕事をすることになったので、近場で合流し、数年ぶりにオッサン二人でキャンプを楽しむことにした。

ゆるキャン△のロケ地探訪

静岡での仕事は新幹線で日帰り出張を数日間繰り返すことになるが、車窓から景色を眺めていると富士山の雄大な姿を楽しめる。そういえば、富士山を眺めながらキャンプをしたことはなかったな~と思い、Yとのキャンプは富士山を眺められる場所にしてみた。

最終日の仕事を終えた後はそのままホテルに泊まり、翌朝、静岡駅から富士宮まで在来線で移動し、そこから徒歩で里山の頂上にあるキャンプ場まで行くことにした。

【野田山健康緑地公園 富士川キャンプ場】

ゆるキャン△の主人公の女の子が初めてソロキャンプを行った場所だ。駅からキャンプ場まで歩いた設定になっているが、キャンプ道具と食料を背負って高低差400m、距離にして5.5キロの道のりを歩いたとなると、かなりの体力の持ち主のようだ。

ここはやはり主人公に敬意を評し、自分も歩いていくべきだろう。

今回は登山モードではないので紙の地図やYAMAPをダウンロードせず、Googleマップを見ながら車道沿いを歩くことにしたが、油断して道を間違えてしまった。

腰と肩を使い背中全体で背負えるリュックではなく、70Lのダッフルバッグを背負って歩いていたので、全重量が肩にズッシリと食い込んでくる。その重さに気を取られ、少しでも楽をしようとスケベ心を出してしまったことがいけなかったようだ。

素直に車道沿いを歩けば迷わずに到着するはずが、途中、車道と並行した川沿いの小路があったため、ショートカットすることにした。ところが、暫く進むと小路から登山道のような道に変わり、やがてその道も草木で覆われ行き止まりになってしまった。どうやらルートを見失ってしまったようだ。

低山あるあるで、あまり人が歩いていないような道は、草木が生い茂っているためルートを見失いやすい。こういう時は引き返すのが鉄則だが、今回は斜面の上の方から車の通行音が聞こえていたので、藪漕ぎをしながら急斜面を三点支持で登っていくことにした。

登山用のザックではなく肩だけで背負うタイプのダッフルバッグなので、途中、木の枝や枯れた蔦などが引っかかりバランスを崩して斜面を滑り落ちたりする事もあったが、それでも50メートルほど登るとようやく車道に出た。

ガードレールに腰掛け一息ついていると、気がつけば全身汗だくになっていた。その姿は草木でカモフラージュしたソルジャーのような状態で、犬の散歩で車道を下ってきた地元の人から奇異な目で見られてしまった。

歩いてキャンプ地に向かおうとして、近道をしようとしたらハマってしまったことを告げると、爆笑されてしまった。車道以外を歩くような地元の人はいないとのことだった。人懐っこいワンコからは汗だくの顔を舐めまくられてしまい、更に顔がベトベトになってしまった。

ダッフルバッグを担いだ時は素直に舗装路を歩こう!

その後は車道沿いに歩くことにしたが、予想外に大汗をかいてしまいホコリまみれでトボトボと歩いていたが、ところどころ木々の間から富士山が顔を出してくると、さっきまでの無駄な疲労が一気に吹っ飛び、足取りも軽やかになってきた。

富士山効果、恐るべし!

最後の急坂を登りきり右に曲がると、管理事務所の建物が見えた。

日本一高い山と日本一深い海の間のキャンプ場

数年前にゆるキャン△のロケ地として使われたときは、野営ができる無料の公園だったようだが、その後、キャンプ場として再整備され有料となってしまったようだ。それでも、富士山や駿河湾、街の夜景を楽しめる絶景のキャンプ地として人気の場所らしい。

受付のニーチャンに、「ゆるキャン△の主人公に倣って歩いて来た」と告げると、苦笑されてしまった。以前は稀にいたが、最近は歩いて来る人は殆どいないということだった。

近年のキャンプブームの火付け役になったアニメのお陰で、今でも休日は予約が取れないらしいが、この日は貸し切りということだった。キャンプブームもようやくピークを過ぎたのだろう。

好きな場所にテントを張っていいとのことだったので、管理人イチオシの35番サイトにしてみた。

昨年新しく造成したエリアで、キャンプ場最上段に位置し、富士山はもちろんのこと、相模湾や麓の街並みも一望できるベストポジションということだ。

評判通り、どの方角も絶景を望むことができるベストな場所だった。

富士山を眺めながら過ごすか、駿河湾や街の灯りを眺めて過ごすか、散々悩んだが、やはり富士山メインの配置でテントを張り、あとは夕暮れの移ろいゆく絶景を堪能することにした。

数年ぶりの再開

テントを張り終え、珈琲豆を挽き始めたタイミングでYが到着した。

前回はコロナ禍が最盛期の2021年にオッサン二人でキャンプを楽しんだので、四年ぶりの再開だ。その時は、バイクでやってきたYだったが、その後、結婚を機にバイクは卒業したようで、今回はレンタカーで神戸からドライブしてきたようだ。

数年ぶりに再開したYは、体の線が少し引き締まっていた。

仕事面でストレスを溜め込んでいた頃にウォーキングを勧めたところ、直ぐに実践し短期間でかなりの効果があったようだ。今では2万歩程度は余裕で歩けるようになったとのこと。

そうしたポジティブなリズムに乗れたことが幸いしたのだろうか、二年ほど前に電撃的に結婚を決めたのだった。本人は一生独身でいく覚悟だったようだが、出会ってからトントン拍子に話が進み、自然な流れで結婚に至ったとのこと。

40代後半で入籍したことに社内では驚愕の嵐だったようだが、いい波に乗れている時は、自然に身を任せているだけで良縁にも恵まれるということなのだろう。

そうした波を楽しんでいたからだろうか、今回の転職話もトントン拍子に事が進み、新しい世界へは伴侶を伴い進んで行きます!と語るYを見ていると、出会った頃のグダグダ感からは完全に脱却し、今ではポジティブマインドに溢れた中年オヤジの笑顔が眩しかった。

兎にも角にもめでたし、メデタシだ

冬キャンプの食事

二人でキャンプをやる時は、食事はいつもYに作ってもらっていたので、今回は自分が食事を担当し、朝からのロングドライブを労うことにした。

とは言っても、自分が作るキャンプ飯は手の込んだ料理は作れない。というか、冬は寒いので、手間がかからず簡単に作れて、体が温まる献立が最優先だ。

当初は鍋にするつもりだったが、食材をあれこれ用意するとバッグに入りきらない。徒歩キャンパーは限られた食材で最大の効果を出す必要があるのだ。

というわけで、簡単に作れるスープをメインに、あとはいつもの如く焼肉&シンプルステーキ。調理器具が足らなかったので、ご飯だけはYに炊いてもらうことにした。

今季最強寒波が日本列島を覆おっている時に、夕食と朝食を個別に作るのは大変なので、今回は焼肉屋で定番の牛肉とワカメのスープを多めに作り、それでスープと〆のおじや、翌朝のラーメン用に活用することにした。

今回作った牛肉とワカメのスープ、少ない食材と調味料で、簡単で体が温まり色々な変化球を楽しめるので、普段料理をしない人でも覚えておいて損はない。

焼肉屋さん定番 牛肉とワカメのスープの作り方

【材料】
・水    :2L 4杯分くらい
・生ワカメ :一パック 
・牛バラ肉 :一パック
・ネギ   :適量
・椎茸   :お好みで
・ごま油  :適量
・ニンニク :ガッツリ
・塩、胡椒 :適量
・ダシダ  :スティックタイプを2本~3本
・唐辛子  :輪切りタイプが使いやすい

鍋に胡麻油とニンニクを投入し、香りが出たら牛バラ肉を入れ炒める。

馴染んできたら塩抜きしたワカメを入れ軽く炒める。その後、水を注いで韓国調味料の「ダシダ」を入れ、お好みで椎茸類を投入し、あとは煮るだけ。ひと煮立ちしたら塩とコショウで味を整え、あたり一面にいい匂いが漂ってきたら、ネギを適当に散らして出来上がり。

簡単で難易度のとても低いスープなのだ。

それでいて味は絶品。牛とワカメから出汁がたっぷり出るので、シンプルだが奥行きのある、滋味あふれるスープを堪能できる。ダシダを使うことで短時間で牛ベースの出汁が出来上がるのでキャンプなどで韓国料理を作りたい時に、手っ取り早く作れるのでオススメの調味料。

今回、米担当のYが珍しく炊飯に失敗し、かなり硬めの米になってしまったが、そういう時はスープに投入すればスペシャルクッパになる。

煌めく夜景やシルエットの富士山、見上げれば満点の星空を堪能しながら、熾火で焼き上げたステーキや熱々の焼肉をクッパに乗せ、ハフハフと白い息を吐きながら厳冬期のキャンプ飯を堪能できた。

この夜はキャンプ場貸し切りということもあり、Yの奥様から差し入れてもらった神戸で有名な珈琲を挽き、いつもより遅い時間までオヤジ話にすっかり夜も更けていった、、、

朝日に照らされた富士山

夜半から富士山おろしの冷たい北風が強まり、フライシートがバタバタと音を立て騒がしかった。この日までが今シーズン最強の寒波ということだったが、テント内の温度計は氷点下を割ることはなかった。寝袋に包まっていると暑いくらいだったが、たらふく食べた晩御飯のお陰でいつの間にか爆睡していた。

気がつくとフライシートがほんのりと明るくなっていた。今の時期は伊豆半島から日が昇るようだ。

気合を入れて起き上がり、ありったけの服を着てテントから這い出すと、眼の前には雄大な富士山が!

刻一刻と表情を変える富士山を眺めていると、それだけでパワーを貰えるようだ。やはり富士山には何か特別な力が宿っている気がする。

目覚めの珈琲を飲みながら富士山の絶景にひとしきり見とれていると、流石に体が冷えてくる。昨夜作っておいたスープをベースに棒ラーメンを投入して朝食を作っているとYが起き出してきた。

ひと晩寝かせたスープは半分凍っていたが、味に深みが出たようだ。熱々の煮込みラーメンで体を温めたあとは食後の珈琲をマッタリと楽しみ、その後、のんびりと後片付けをおこない誰もいないキャンプ場を後にした。

Yはこのあと東京まで足を伸ばし、翌日、神戸に戻る予定ということだったので、自宅まで便乗させてもらうことになった。

今回のような貸し切り状態のキャンプ場で過ごすのは、大雪山の野営地でキャンプしたとき以来だろうか。芋洗い難民キャンプ状態のブームがようやく終わりを告げたような気がした。

これからは、静かで落ち着いたキャンプを楽しめそうだ。ワンコ連れでキャンプに出かけても、周りに迷惑がかからないように過ごせそうだ。

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