我が家のワンコが無事に二歳の誕生日を迎えた。
パピーの頃から賢い性格だったが、ここ数ヶ月で更に成長し、一言で言うと手のかからない大人のワンコに成長した。
豆柴の2歳は人間に換算すると24歳程度の成熟度らしい。
体重は7キロで体高は34センチ程度なので、豆柴の中では大きな部類に入るのだろうか。
お迎え当初はパピー期特有の鼻の周りがカールのおじさんみたく黒かったが、それもほぼ無くなり、体毛の黒もだいぶ薄くなってきた。



柴犬の顔つきは大雑把に分類するとタヌキ顔とキツネ顔に分かれるが、明らかにキツネ顔だ。



見た目もコロンとした体型では無く、キツネのようなスリムな体型だ。実際、散歩していると、子どもたちからは「キツネみたいでカワイイ~」、とよく言われる。



それでも普通の柴犬より一回り以上小さい豆柴なので、一見すると可愛いらしいパピーなのかと錯覚してしまうが、中身はツンデレ・マイペースな柴犬そのものだ。
そんな豆柴が今年の2月に三度目のヒートを迎えた。ワンコ自身もすっかり体の変化に慣れ、マナーパンツを履かせるときもガウガウと暴れなくなった。
今回はヒート後の偽妊娠状態が長く続いた。偽妊娠状態の特徴として、乳房が大きく膨らんでくる。


犬は合計八個の乳首があるが、そのどれもがふっくらと丸みを帯び、特に下腹部の乳房が大きくなり迫力を増している。
妊娠しているわけではないのに、ホルモンバランスの影響で妊娠しているような状態になるのは生命の神秘だ。
動物病院の先生曰く
「偽妊娠が続くようなら避妊手術も選択肢としてありですよ。」
ということだが、ヒートや偽妊娠状態は特に重篤な病気というわけではない。雌犬としての生命のリズムを絶ってしまうのは、今のところ考えていない。
ただ、乳房にしこりができていたり、母乳が出てきたりすると乳腺炎の疑いが出てくるので注意が必要だが、そういった症状は無く、触っても特に嫌がる素振りも見せないので、今後もそっと見守っていくとしよう。
ヒートから偽妊娠の期間、食事はほとんど口にせず、ヒートが2週間ほど、偽妊娠は50日ほど続き、目に見えて痩せていくので心配する日々だったが、それでもウンコは少ないながらもキレイな状態で出ていた。
偽妊娠が終わる頃には食欲も戻り、ウンコも通常モードのタップリとキレイなウンコを出しているので、食事量がタイミングによって増減するのは、このワンコのリズムなのだと思うようにしている。
それ以外では、日々の過ごし方が更に落ち着いてきた。
日中は好きな場所で寛いだり寝ているか、ベランダの窓の外を眺めて過ごしている。風に乗ってどこからともなく漂ってくる匂いに想像力を膨らませているのだろう。
最近はボーイフレンドができたので、そのワンコの匂いを探しているのかもしれない。
ボーイフレンドがマンションの下を通ったりすると、その匂いがわかるようで、突然起き上がり、
「ワタシはここよー」
と言わんばかりの甘えた声を出すようになった。





部屋でのいたずらなどは皆無だ。
カーテンや壁を傷つけるようなことはパピーの頃から一度もなかったし、ゴミ箱の中に気になるものがあったとしても、ひっくり返して散らかすようなこともしない。
ゴミ箱の中を覗き混んでいるときに、
「だめだよ」
と言うだけで、すぐに諦めていた。
最近は諦める前に、クンクンと甘えた声を出すようになり、取ってほしいアピールをするようになった。
遊ばしても大丈夫なものなら、取り出して与えると喜んで遊びはじめ、だめなものはダメ、と言えば諦める。
本当に賢いワンコだ。



それでも柴犬特有の頑固さは持ち合わせており、大好きなオヤツなどは絶対に諦めない。
「ご飯を食べてからじゃないとあげないよ」
と言っても、オヤツを食べたくなったらチョイチョイとおねだりしたり、オヤツ棚の前でオスワリをして何時間でも待っている。
それでもあげないと、スネオモードに入っていく。
結局、その姿の可愛さにこちらが根負けしてオヤツをあげてしまうのだが、欲求が満たされるとようやくご飯を食べ始める。
結果オーライということにしておこう。



そしてなにより驚いたのは、動物病院での絶叫が止んだことだ。
毎月の定期検診では、病院で一番というくらいの絶叫で診察を嫌がっていたワンコだが、4月の検診では絶叫が止んだばかりか、一度も唸ったりすることも無く穏やかに診察できた。



5月の検診でも終始穏やかに診察できたので、先生もスタッフも感心していた。
「毎回、くじけずに連れてきた甲斐があったね!」
と先生から言われたときは、涙が出るくらい嬉しかった。
柴犬は自分が嫌なことはガウガウと激しく自己主張するので、わかりやすいと言えばわかりやすい。
体の小さい豆柴であっても、牙を剥き出して激しく吠えたり唸ったりする様は思っている以上に迫力があり、時によっては怖かったりする。
ワンコを飼うのが初めての人なら、きっと恐れをなしてしまうことだろう。
柴犬が飼いづらいという理由は、こういうところにあるのかもしれない。
が、それに恐れをなして諦めてしまうと、ますます我を通そうとして事あるごとにガウガウするようになってしまう。
なので、大事な場面では、たとえどんなにガウガウしても諦めずに、従ってもらうまで根気強く対応するようにしている。
はじめは全く言うことを聞かなくても、少しずつ、少しずつ変化の兆しが見えてくる。
あれだけ嫌がっていたハーネスも、今ではすぐに着用してくれるようになった。
それまで30分以上かかっていた散歩の支度もすぐに完了し、短時間で出かけることが可能となった。

散歩に関しては、仕事に出かける時間や帰る時間がまちまちなので、決まった時間に行ったりはしていない。
ただ、トイレは外でしか用を足さなくなったので、どんなに土砂降りの雨が降ろうと、必ず行くようにしている。
雨の日などは、部屋のトイレマットでしてくれればいいのに~と願ったりしているが、部屋では意地でも用を足そうとしないので部屋で促すことは諦めた。
基本は朝晩の2回散歩に行っているが、日によっては1回の時もある。
トータルで2~3時間、休みの日などは4時間ほどの散歩が日課となった。
パピー期の頃は、アスリート並みに走り回り体力オバケの様相を呈していたが、最近はすっかり落ち着き、ひたすら走り回るより、むしろクン活に専念するようになってきた。
散歩コースは決めずにいろいろな場所へ行ってるので、はじめは怖がって行こうとしなかった道も、最近は興味が湧いたら自分から積極的に行くようになった。



そんなリズムにワンコも慣れてきたようで、パピーの頃は、散歩に行きたくなると、扉をチョイチョイとノックして散歩に連れ出せアピールをしていたが、最近はこちらのペースに合わせてくれるようになった。
扉をチョイチョイするようなことはしなくなり、
「散歩行くよ」
と声をかけるとストレッチを始める。
仕事のタイミングによっては、連れ出す間隔が24時間程度空いてしまうこともあるが、よく我慢できるなーと思うくらい柴犬は我慢強い。
ただ、その我慢強さは時によっては病気のサインを見逃してしまうこともありうるので、できるだけ外に連れ出し用を足してもらうことを心がけている。
パピーの頃は誰にでも、どんなワンコにでもフレンドリーで自分から近づいて甘えたりしていたが、最近はすっかり柴距離をキープするようになった。
どんな人やワンコに対しても、自分からいきなり吠えるようなことはないが、いきなり手を近づけてくると唸り声を発し、これ以上は近づくなと警告する。
ただ、柴距離がわかっているような相手だと、唸り声をあげても上手くなだめすかしてくれるので、そういう相手には懐に入り込み甘える素振りを見せている。
だからといっていつまでも甘えることはなく、ある程度のスキンシップが済んだら自分からスッと立ち上がり先へ進んで行こうとする。
問題は、相手のワンコとの距離だ。
お互いに好意を示した場合は匂いを嗅ぎ始めるが、相手のお尻の匂いは嗅いでも自分のお尻の匂いは絶対に嗅がせない。

相手が嗅ごうとした瞬間にガウッと吠えて威嚇するので、気の弱いワンコならビビって遠ざかってしまう。
せっかく仲良くなれそうなのに、その機会を失ってしまうが、女の子だから恥ずかしいのだろうということで、相手の飼い主さんにも納得してもらっている。
そんな気の強い性格は、たとえ相手が大型犬であろうと容赦しない。
例えばドーベルマンが生意気な小娘だからと威嚇してきても、怯むこと無く逆に挑発したりする。



ワンコ自身も小型犬より大型犬のほうが好きなようで、自分から近づくのはほとんど大型犬だ。




ひとしきり遊んだあとは、相手のワンコが拍子抜けするくらいスッと気持ちを切り替え、その場を離れてスタスタと先へ進んでいく。
河川敷などで誰もいない事を確認してリードを離してフリーにしても、好き勝手に走り回るようなことはなく、付かず離れずの距離を保っている。
こちらの様子を伺いながらチョロチョロと歩いているが、「マテ」と指示すると、その場で止まってくれる。
こんなワンコの性格はドッグランでも同じようで、色々なワンコと自由に交わって遊ぶというより、気に入ったワンコがいない限り群れには入らず、マイペースを維持している。

他のワンコ達と群れたり人間に媚びたりすることもなく、その場の状況を読み、自分のペースや空間を大切にしたい性格なので、あれこれコマンドを教えて従わせるようなことはしないようにしている。
基本的な指示
【ダメ】【マテ】【オスワリ】【フセ】【ヨシ】
散歩時の指示
【ストップ】【ゴー】【スロー】【ワタル】【ミギ】【ヒダリ】【マッスグ】
これらの指示は根気強く練習したおかげで、素直に聞いてくれるようになった。
特に【ストップ】や【ゴー】などは声を出さなくとも雰囲気で察知してくれるようになったので、駅前の人通りが多い場所でもトラブルになるようなことは無い。
他のコマンドに関しては、特に必要性を感じてないので意識していない。
少なくとも、上記の指示を理解してくれるだけでも外での社会性は十分に適応出来るので、あとはワンコの自主性を大切にしていこうと思っている。
こうしてみると、柴犬は飼い主との上下関係重視という間柄より、信頼関係重視の同列パートナーとして接する方が良い関係を築いていていける気がする。



普段は付かず離れずの場所にいても、気がついたら足元にそっと寄り添い静かにこちらの様子を伺っているといった、柴犬本来の気質を尊重しつつ、社会に問題なく適応出来る程度のマナーを覚えてもらえればそれで良し。



そんな気持ちで日々ワンコと接していると、気がついたらすっかり落ち着いた大人のワンコになってくれた。
これからは成熟した大人のメスワンコと認識し、虹の橋を渡るまで共に歩いていこう。

コメント